給湯器の塩害対策
沿岸部で潮風にあたりやすいなど 塩害が懸念される地域においては 耐塩害仕様品の設置をお薦めします。四方を海に囲まれた日本において、地域によって潮風による影響を給湯器が受けやすく腐食の原因となる場合があります。塩害により腐食が進行すると思わぬ事故につながる場合がありますので、海のそばにお住まいの方は耐塩害仕様品の給湯器の設置をお薦めします!
塩害とは
塩害(えんがい)は、特に海沿いの地域において海水に含まれる塩分によって建築物などにサビや腐食などが見られる現象です。
耐塩害仕様品とは
各メーカーのほとんどの給湯器に耐塩害仕様の塗装を施すことが出来ます。耐塩害仕様の給湯器は一般社団法人 日本冷凍空調工業会の規格JRA9002の重耐塩害仕様をクリアした塗装をフロントカバー(前板)や本体の筐体に施してあります。なお、耐塩害仕様の給湯器の場合、納期に1ヶ月程度掛かり、追加費用が掛かります。
耐塩害仕様品の給湯器を設置をした方が良い地域
海岸から300m未満の場所に給湯器(ガス給湯器・石油給湯機等)を設置する場合は、「耐塩害仕様」の給湯器の設置を強くお薦めします。(石油給湯機の場合、ステンレス外装の機器をお薦めします。)
なお、塩害地は下記のように定義されています。
【塩害地】海岸までの距離が 300m 以上1km 以内
【重塩害地】海岸までの距離が 300m 以内
海からの距離は「地図蔵サイト」で確認できます。
給湯器を塩害から守るためには
錆や腐食などにより給湯器を痛める塩害。耐塩害仕様品の給湯器といえども、海岸から近い地域では経年によって錆や腐食が発生してきます。出来るだけ給湯器を長持ちさせるために下記の点に注意してください。
1.耐塩害仕様品の給湯器を設置する
2.給湯器は建物の風下に設置して直接潮風に当たらないようにする
どうしても風上に給湯器を設置する場合は、給湯器に直接潮風が当たらないように塀などを設置して防風処理をおこなってください。
3.定期的に給湯器を拭く
少し面倒ですが、定期的に給湯器を拭くだけでも、給湯器に付着した塩分を取り除くことが出来ますので、給湯器を長持ちさせることができます。
主なメーカーの耐塩害に関して
■リンナイ
リンナイ製の屋外設置型の熱源機には標準仕様品においても前板・本体にサビ・腐食に強い塗装(JRA9002)を施していますが、海浜地域の場合は、さらに前板・本体の耐腐食性の向上や排気ダクト等に防錆・防腐処理を施した「耐塩害仕様品」を用意しています。
■ノーリツ
標準品においてもフロントカバー・本体・関連部材(一部商品を除く)に錆びにくい材質や塗装を施して、日本冷凍空調工業会規格(JRA9002)の「耐塩害仕様」をクリアしていますが、沿岸部用にさらに塩害に強い「耐塩害仕様品」を用意しています。
■パロマ
パロマの給湯器は塩害対応がスタンダード。通常塗装よりも「塩」による耐食性に優れた仕様になっています。潮風の影響や沿岸に近い地域等でも赤錆の発生等を軽減します。(塩害対応で無い機器もあります。※特注色の場合は非塩害対応になります。)
■パーパス
AXISシリーズの給湯器は給湯器本体に溶融亜鉛めっき鋼板を使用し、カチオン電着塗装を下塗りした上にポリエステル粉体焼付塗装を施して、日本冷凍空調工業会規格(JRA9002)の「耐重塩害仕様」に準拠しています。
(一社)日本冷凍空調工業会規格の耐塩害の規定について
屋外に設置される機器の外郭を構成する部品の金属素地上に主として防食および装飾の目的で塗装する部品の塗膜の試験方法について規定。
耐塩害仕様は、日本冷凍空調工業会標準規格JRA9002(空調機器の耐塩害試験基準)に基づいています。