- 号数について
- 機能について
出湯量から号数を考える
この画像を拡大するご家族の構成で号数を考える
ご家族の構成で給湯器の号数を決める際の主な目安は下記の通りになります。*冬場の水温が5℃で42℃の湯温のシャワーを1分間に12ℓ出す場合、計算式にあてはめると
12ℓ=(号数×25)÷(42℃-5℃)→号数17.8号
台所で1分間に35℃のお湯を4ℓ出す場合
4ℓ=(号数×25)÷(35℃-5℃)→号数4.8号
ガス給湯器の出湯能力について
ガス給湯器の出湯能力は号数で表され、現在一般家庭用では主に16号、20号、24号の機器があります。号数は、水温+25℃のお湯を1分間に何ℓ出せるかの数値になります。 例えば水温15℃の時16号の機種ですと40℃のお湯を16ℓ出すことが出来ます。24号の機種ですと40℃のお湯を24ℓ出すことが出来ます。従って号数が高いほど豊富な湯量を確保できます。家族の人数、お湯の使い方などから最適な号数を選びましょう。*配管条件(配管長・配管径・配管経路)、給水圧、給水温度により異なる場合があります。
ご参考までに出湯量を求める計算式は下記の通りになります。
【出湯量を求める計算式】
毎分出湯量=(号数×25)÷(湯温-水温)- 【16号の場合】 (16号×25)÷(42℃-5℃)=約10.81ℓ
- 【20号の場合】 (20号×25)÷(42℃-5℃)=約13.51ℓ
- 【24号の場合】 (24号×25)÷(42℃-5℃)=約16.22ℓ
- 【16号の場合】 (16号×25)÷(42℃-20℃)=約18.18ℓ
- 【20号の場合】 (20号×25)÷(42℃-20℃)=約22.73ℓ
- 【24号の場合】 (24号×25)÷(42℃-20℃)=約27.27ℓ
*お風呂にお湯はりをする際は、ほとんどのメーカーの機器が給湯回路を使ってお湯はりをしますので、号数が大きい方がお風呂にお湯をためる時間も短くなります。
*集合住宅の場合、規約により号数アップが出来ないことがあります。 また、ガス配管の口径やガスメーターの容量によっても号数アップが出来ない場合があります。
石油給湯機の出湯能力について
石油給湯機の能力はkW(kcal/h)で表されます。 ご参考までに出湯量を求める計算式は下記の通りになります。【石油給湯機の出湯量を求める計算式】
毎分出湯量=給湯負荷(kcal/分)/(湯温-水温)- 【37.2kW(32,000kcal)の場合】 (32,000kcal÷60分)/(42℃-5℃)=約14.41ℓ/分
- 【46.5kW(40,000kcal)の場合】 (40,000kcal÷分)/(42℃-5℃)=約18.02ℓ/分
- 【37.2kW(32,000kcal)の場合】 (32,000kcal÷60分)/(42℃-20℃)=約24.24ℓ/分
- 【46.5kW(40,000kcal)の場合】 (40,000kcal÷60分)/(42℃-20℃)=約30.30ℓ/分
給湯器の号数変更について
「冬場の水温が低い時など、お湯の出が少ない」「おふろのお湯はり時間が長い」などのご不満がある時は、給湯器の号数を上げることを検討しても良いかもしれません。給湯器は号数が変わっても給湯器自体の大きさは変わらないため、意外と簡単に号数アップが出来ます。ただし、配管の口径やガスメーターの容量によっては給湯器の号数アップが出来ない場合もありますので、注意が必要です。
16号の給湯器の場合、一般的に給水、給湯、ガス配管は15Aという口径の配管で接続されていますが、24号の給湯器の場合は、給水、給湯、ガス配管は20Aという口径の配管で接続されています。そのため、配管の口径を上げられない場合は号数アップが出来ない場合があります。
また、ガスメーターはガスの最大流入量が決まっており、家庭用ですとが2.5号/4号/6号/8号などの種類があります。6号以上のメーターが付いていれば24号の給湯器でも問題ありませんが、4号以下のガスメーターの場合、24号の給湯器の設置は難しいためガスメーターの交換が必要になる場合があります。なお、ガスメーターの交換はガス供給会社に依頼すれば無償にて対応していただけます。また、マンション等集合住宅の場合、建物全体でのガスの使用量を考慮して配管の設計がされているため、号数アップをしても問題ないか、管理組合等に確認が必要になります。
また、最近家族構成が変わったので号数を下げたいというご相談もよく受けますが、給湯器の号数を下げても、理論的にガスの使用量は変わりません。
出湯量を求める計算式は 毎分出湯量=(号数×25)/(湯温-水温)となり、例えば、16号の機器で水温15℃の時、250リットルの42℃のお湯を作るとなると約16.8分。一方24号の場合は11.2分となります。号数が大きい方が、時間あたりの消費量は多くても燃焼時間が短くなるためガスの消費量は理論上は変わりません。しかしながら、例えばシャワーを浴びる際にシャワーの栓を絞る等しないと、必要以上のお湯が出ることも考えられます。逆にお風呂にお湯をはる際に、号数が小さいと、外気温によってはお湯の熱を奪われる時間が長くなるため、かえって号数の高い方が効率が良いとも考えられます。
※給水の圧力によっては、号数を変えてもお湯の量があまり変わらない場合もあります。
特殊な号数の給湯器について
・5号湯沸し器
スイッチ一つで手軽にすぐにお湯が出てくる台所用の5号小型ガス瞬間湯沸器。5号ガス瞬間湯沸器は、台所の洗い物用の機器になりますので、浴室のシャワー用には使えません。また、5号ガス瞬間湯沸器は室内の空気を使って燃焼させ、排気も室内に排出しますので、使用する際は充分な換気が必要です。また、屋内設置専用に設計されていますので、屋外には設置ができません。
・32・50号給湯器
以前は家庭用の給湯器で28号の給湯器もありましたが、現在は家庭用給湯器は24号までの機器になります。32号や50号といった大容量の業務用給湯器は、ホテルなどの宿泊施設、福祉施設、医療施設、工場などで採用されています。消防法で70kW(約60,000kcal/h)以上の給湯湯沸設備を設置する場合は、消防署への届出が必要になります。32号の従来型の給湯器は約69kW、エコジョーズは59kW。50号の従来型の給湯器は100kW以上、エコジョーズは90kW以上になりますので、32号を超える給湯器を設置する場合は、消防署への届出が必要になります。
給湯器の機能について
現在販売されている追焚機能付の給湯機器にはフルオートタイプとオートタイプの機器があります。 主な特長は下記の通りになります。(ノーリツ社ではプレミアムタイプの機器を発売したことに伴い、フルオートタイプをスタンダードタイプ、オートタイプをシンプルタイプと呼んでいます。)
この画像を拡大する この画像を拡大する自動湯はり | 自動保温 | たし湯 | 配管クリーン | |
---|---|---|---|---|
フルオート | ○ | ○ | 自動 | ○ |
オート | ○ | △ | 手動 | × |
現在お使いの給湯器がフルオートの場合、オート機種に変更しますと、ご不満につながる場合があります。現在お使いの給湯器がフルオートの方は、買い替え機種もフルオートをお薦めします。
オートタイプとフルオートタイプの違いについて
フルオート・オートとも自動保温をする機能は同じなのですが、自動保温をするための方式が違います。 フルオートタイプはお湯の水圧を感知して温度や水量を測るため、例えば誰かがお風呂から上がった場合にすぐさま温度や水量を感知して追焚きや足し湯をする仕組みになっております。 一方、オートタイプの給湯器は一定時間(30分程度)ごとにポンプを利用して温度を測り、追焚をするという構造になっております。従って、例えば誰かがぬるいお湯につかった後、機械が温度測定をする前にお風呂に入るとぬるく感じる場合があります。 また、オートタイプは自動足し湯機能がないため、お湯が少なくなっても自動足し湯がされません。 (フルオートタイプには自動足し湯機能がついています。) また、フルオートには自動配管クリーン機能がついており、浴槽のお湯を排水したときに、自動で、配管からお湯をだして配管内をきれいにします。オートにはその機能がないので、排水時に足し水や足し湯ボタンを押してもらえれば、定量が配管からでてくるため、同様の効果が得られます。
*一部メーカーの機種においては、オートタイプの機器でも特別な操作をすることにより、フルオートタイプの機器と同様に追焚配管の往きと戻りの両方の配管にお湯を流す機能があります。